蟹のつぶやき kanikani

角栄逮捕から31年2007年07月27日 15:55

7月27日って、何の日だっけ。
年中記念日的には「スイカの日」とか。スイカの縦縞模様を綱にたとえ、27を「つ(2)な(7)」(綱)と読む、のだそうだ。「727」なんていう飛行機もあったっけ。振り返っても、何があったのか、すぐには思い出せなくなっている。


あのロッキード事件のヤマ場、日本政治史上でも記念碑的な、田中角栄が逮捕された日が、この日だった、とは言われて思い出す。


一時は今太閤と呼ばれ、「日本列島改造」の旗印で、自民党政治を「土建」漬けにした、目白の闇将軍、あの「角さん」の逮捕の日だ。


1976年の夏のあの朝。記憶にあるのは、朝一番からセミの声が耳を聾するばかりの大合唱。日本国中が異様な興奮に包まれたことだ。早朝から、東京地検の動きが慌しく、田中角栄が松田検事に付き添われて、目白の自宅を出たのは、当時の新聞の「ドキュメント」によれば、午前7時12分。同21分には地検の入り口まで到着している。あの、何度も繰り返し見た映像――いつものように「ヨッ」と右手を軽く挙げる仕草で地検に入る田中角栄、の図が、ストップ・モーションのように甦る。


その日、私は何をしていたのか? 暑かったことと、小菅の東京拘置所入り口で角栄が入る、その瞬間を見るために荒川の堤防近くで待機したこと。角栄を乗せた車は瞬く間に目の前を通り過ぎ、車内の被告人の表情を、ほとんど窺い知ることはできなかった。その時刻が、夕方が迫った頃のように思っていたが、午前10時18分とある。逮捕状執行後、地検を後にして43分後のことだったことを改めて思う。


ロッキード事件は、海の向こうの米議会調査委員会から突然、沸いて来た。同年2月初めのことだった。コーチャン、クラッター、ピーナッツ……。カタカナの名前と不思議な符丁で始まった事件は、児玉誉士夫、小佐野賢治といった右翼・政商の名前から全日空、丸紅へと広がった。謀略説も種々取り沙汰され、裁判も長期化した。


しかし、ロッキード事件は、事件の規模の大きさと、政界への衝撃の深さで、戦後史の中でも特筆されるものだろう。角栄の逮捕後には、「はしゃぎすぎ」の総理を引き摺り降ろそうとする「三木おろし」、鬼頭判事補事件、ロッキード選挙と、話題には事欠かなかった。


この年、流行した言葉――。ロッキード事件の国会証人喚問での「記憶にございません」。 疑惑をもたれたが起訴されていない高官をいう「灰色高官」……。今も昔も、政界の周囲にはやる言葉の、なんと胡散臭く、変わり映えのしないこと。


それから31年が経った訳だ。あさって29日は参議院選挙の投開票日。もう、あの日の田中逮捕が人々の口にのばることもほとんどない。

コメント

_ 酔いどれパパ ― 2007年08月04日 21:42

 始めまして、懐かしい話ですね私の青春時代の頃ですね、参議院選挙、当たり前の結果でした、働けど働けど楽に成らない、23歳の時家を、誰の助けも借りず、昨年奥さんと二人で払い終えたのが、一番かな、今は奥さんの親を見てる、いろいろ大変だ親を見るのは、自分が言ったから最後まで責任持たないと、と思ってます、50男の変なコメントすいません、之からも良いですか?。

_ chagale ― 2007年08月06日 07:29

酔いどれさん、コメントありがとう。大変ですよね、これからの年代。昔のことばかり、思い出してみてもしょうがないのですが、振り向けば当時・往時を知る人がいなくなっていることにも気付く最近なのです。でも、青春は過去だけでもないかもしれません。がんばりましょう。

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