上機嫌の作法 ― 2007年05月09日 06:44
齊藤孝 著 角川oneテーマ21 B65
明治大学文学部教授で「声に出して読みたい日本語」などで知られる筆者。1960年生まれ。
まさに元気を出して、どうやっても上機嫌にしてやる、という本か。 講演をoneテーマにまとめた、ということなのだろう。大きな活字で、要点にはさらにゴチで注目を求めている。 「本当にできる人は上機嫌」とか、「不機嫌が許されるのは、赤ん坊か天才だけ」など、論旨は明快だ。
円滑なコミュニケーションのための手段として、「上機嫌」な状態を自分の「技」にすること――の提唱。その「技」化のための論理と技術論。
「人と一緒にいる間は、楽しい時間を過ごすようにお互いに努力する、という暗黙の基本ルールが、現在の日本ではあまり共有されていないと言っていいでしょう」――その通りでしょう。
ただ第2章に「上機嫌列伝」の章を設けているが、あまりいただけない。
「マツケンサンバ」の盛り上がり方 生きていくエネルギーに溢れている上機嫌「板谷バカ三代」 背負うものを減らすことで上機嫌が高まる 谷川俊太郎さん 小粋なユーモラスを持った上機嫌人 淀川長治さん 「反省を母親の胎内に忘れてきた」人 黒柳徹子さん いいことは自画自賛し、悪いことは忘れて生きる 宇野千代さん プロ野球界の上機嫌男 新庄剛志選手 笑顔も技になっているファンタジスタ 小野伸二選手 国民的上機嫌ヒーロー 長嶋茂雄さん
納得できるエピソードがないわけではないが、データとしては薄っぺらな感じを受ける。もちろん、筆者はそれをも承知の上での、上機嫌への「技」化テクニックとしてのハイテンションであるのかもしれないが……
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