ジャポニズム ― 2008年07月05日 23:55

上野の東京国立博物館を金曜日の夜、訪れてみた。午後8時まで開いている。
緑のライオンが2頭、入り口に伏せている表慶館で始まった「フランスが夢見た日本――陶器に映した北斎、広重」という特別展。「日仏交流150周年記念 オルセー美術館コレクション特別展」とのサブサブ・タイトルもついている。8月3日まで。
北斎漫画や広重の名所図会などに、河鍋暁斎の動物たち……。そんな日本の美を題材に、着想を得て作られたものたち。
時は19世紀末。ヨーロッパのジャポニスムに日本の浮世絵が与えた影響について、テーブルウェアに絞って展示している。パリ・オルセー美術館の所蔵作品と、東京国立博物館などの作品を対比させながら見せる、という共同企画だ。確かに、オルセーでジャポニズムの作品を、といえばついつい絵画になるから、テーブルウエアーに絞るというのは、面白い視角ではある。
出展されたテーブルウェアには2つの時代がある。初めは「セルヴィス・ルソー」と呼ばれる。陶器とガラス製品の製作販売を行っていたウジェーヌ・ルソー(1827-1890)と画家・版画家のフェリックス・ブラックモン(1833-1914)の共同製作により1866年に生まれた。葛飾北斎(1760-1849)や、《東海道五十三次》などで有名な歌川広重(1797-1858)などによる日本の作品から着想を得た作品には、ジャポニスム(日本趣味)の初期の例がみられ、このテーブルウェアはパリ万国博覧会で1867年、1878年、1898年と続けて紹介され、大成功をおさめた後、1930年代まで50年以上にわたって製作されたという。これが表慶館の右翼側の展示室に。ブラッくモンのエッチングで刷り上げたばかりのものを陶器面に転写した
ものらしい。北斎などから持ってくるものの趣味が、フランス人らしく、その配置などのセンスも好ましいものがあったのだろう。
もう一つが「セルヴィス・ランベール」。表慶館の左翼に展示されている。「セルヴィス・ルソー」がたいへん人気を博したため、1873年、ルソーは柳の下の2匹目のドジョウを狙った。セーヴル国立製陶所の装飾画家アンリ・ランベール(1836-1909)。ルソーはランベールにもジャポニスムの新たなテーブルウェアの製作を依頼する。この作品群は「セルヴィス・ルソー」と違い、手描きによる高級品で、絵画性の強いデザインが特徴です。小さいながらアンリを示すのだろう「H」のイニシャルが入れられている。手描きで現存する数が少ない「セルヴィス・ランベール」の作品は、日本初公開なのだそうだ。
表慶館のセンター奥の間には、これらのテーブルウエアーを実際にテーブルでセットアップすると、こうなる――という展示もある。
緑のライオンが2頭、入り口に伏せている表慶館で始まった「フランスが夢見た日本――陶器に映した北斎、広重」という特別展。「日仏交流150周年記念 オルセー美術館コレクション特別展」とのサブサブ・タイトルもついている。8月3日まで。
北斎漫画や広重の名所図会などに、河鍋暁斎の動物たち……。そんな日本の美を題材に、着想を得て作られたものたち。
時は19世紀末。ヨーロッパのジャポニスムに日本の浮世絵が与えた影響について、テーブルウェアに絞って展示している。パリ・オルセー美術館の所蔵作品と、東京国立博物館などの作品を対比させながら見せる、という共同企画だ。確かに、オルセーでジャポニズムの作品を、といえばついつい絵画になるから、テーブルウエアーに絞るというのは、面白い視角ではある。
出展されたテーブルウェアには2つの時代がある。初めは「セルヴィス・ルソー」と呼ばれる。陶器とガラス製品の製作販売を行っていたウジェーヌ・ルソー(1827-1890)と画家・版画家のフェリックス・ブラックモン(1833-1914)の共同製作により1866年に生まれた。葛飾北斎(1760-1849)や、《東海道五十三次》などで有名な歌川広重(1797-1858)などによる日本の作品から着想を得た作品には、ジャポニスム(日本趣味)の初期の例がみられ、このテーブルウェアはパリ万国博覧会で1867年、1878年、1898年と続けて紹介され、大成功をおさめた後、1930年代まで50年以上にわたって製作されたという。これが表慶館の右翼側の展示室に。ブラッくモンのエッチングで刷り上げたばかりのものを陶器面に転写した
ものらしい。北斎などから持ってくるものの趣味が、フランス人らしく、その配置などのセンスも好ましいものがあったのだろう。
もう一つが「セルヴィス・ランベール」。表慶館の左翼に展示されている。「セルヴィス・ルソー」がたいへん人気を博したため、1873年、ルソーは柳の下の2匹目のドジョウを狙った。セーヴル国立製陶所の装飾画家アンリ・ランベール(1836-1909)。ルソーはランベールにもジャポニスムの新たなテーブルウェアの製作を依頼する。この作品群は「セルヴィス・ルソー」と違い、手描きによる高級品で、絵画性の強いデザインが特徴です。小さいながらアンリを示すのだろう「H」のイニシャルが入れられている。手描きで現存する数が少ない「セルヴィス・ランベール」の作品は、日本初公開なのだそうだ。
表慶館のセンター奥の間には、これらのテーブルウエアーを実際にテーブルでセットアップすると、こうなる――という展示もある。
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